日本×アメリカ サッカー国際親善試合

試合総括
システムは3-6-1で、1トップには久保が入った。合宿で試していたフォーメーションをそのまま持ってきた形だ。

前半、日本は立ち上がりこそいいペースだったが、開始10分を過ぎた辺りからは防戦に終始。アメリカは前線から積極的にプレッシャーをかけ、フィジカルを生かしたプレッシングサッカーでイニシアティヴを握っていた。

後半、日本は4-4-2にシステムを変更する。アメリカの運動量が落ちたところに、持ち前の粘りで、巻、中沢がそろぞれ得点して追撃の姿勢を見せたが、及ばず2-3で敗退した。

日本の敗因は?
この試合で日本はいくつか問題を抱えていた。

(1)フィジカルコンディションの悪さ
この試合の最大の敗因はこれではないかと思う。出足の速さ、空中の競り合い、運動量、ポジショニング、パスの精度、トラップ。これら全てのプレーが後手後手にまわり、イニシアティヴを握れなかった。特に出足の速さで完全に劣っていたのが痛かった。

ことごとくイーヴンボールがアメリカに渡ったのはこれが原因である。あれだけゴール前でボールを回され、FWとMFの波状攻撃に晒されれば、3失点というのも頷ける。

確かに劣悪なフィールドコンディションにも問題があったが、それはアメリカとて同じ。いいわけにはできない。

(2)プレスの遅さ
これはフィジカルコンディションが悪かったことも影響しているが、とにかく積極的にプレスにいくという姿勢に欠けていた。自陣にリトリートするだけでは守備とは言えない。リトリートし、組織でボールを奪いにいくというプランがあってこそ初めて守備と言えるのだ。

逆にアメリカは日本の守備をうまく崩していた。前線の選手がボランチに積極的にプレスに行くことで、最終ラインから前線へのパスコースをうまく遮断。そうすると日本は中盤の選手がボールをもらいに下がる。アメリカは大体ここでインターセプトしていた。

このバイタルエリアでパサーに前を向かれることは非常に危険である。このタイミングで裏にパスを出されるとほぼ確実にセンタリングやシュートに持ち込まれるからだ。

日本はこの守備の組織力を早急に改善する必要がある。

(3)1トップの孤立
何度か記事にも書いているが、1トップを採用する上で重要なのはFWを孤立させないことだ。ジーコの口からもそういった発言が出ている。ところが、この試合では全く2列目からの援護がなかった。結果的に1トップに入った久保は全くといっていいほど機能していなかった。

この試合のようにリトリートせざるを得ない状況では、前線の選手が積極的にかき回さなければチャンスは生まれない。久保はロナウド並に動けていなかったので前半の無得点は当然の結果である。

後半、運動量の多い巻と佐藤が入ったことで、チャンスメイク出来ていたことからも、久保の1トップは少々見直す必要があるかもしれない。もちろんこれは結果論に過ぎず、後半の選手交代がある程度成功していることからも、ジーコの采配ミスとは思わない。

(4)3-6-1の穴
中盤の選手層が厚い日本の良さを生かすという意味での6MFなのだろう。しかし、この試合ではサイドの裏に大穴が開いていて、特に左サイドから突破されてセンタリングに持ち込まれる場面が多かった。

3-6-1のシステムを使うならば、中盤のプレイヤーがもっとプレスしなければ意味が無い。結果的には中盤でのポゼッションも劣り、3-6-1の完成度の低さを露呈することになってしまった。このシステムを使うなら、サイド裏のカヴァリングもケアしなければならない。

後半、4-4-2にしてからようやく安定感が出てきただけに、システムを戻した方がいいという意見が出てきそうだ。

前半のアメリカは完璧だった
後半こそ運動量の低下から失点を喫したが、前半はそれこそ欧州のトップチームに引けをとらない組織力を見せつけ、フィジカルだけではないことをアピールした。

高いバックラインと素早いプレスからトランジションを巧みにコントロールする組織力は日本にはない素晴らしさ。フィジカルの強さに加え、速さも非凡だった。

野球場で国際試合をやり、公式球ではないボールを使う暴挙はいかにもサッカー発途国だが、FIFAランク7位の実力は本物だ。
[PR]
by testarossa7537 | 2006-02-11 16:36 | サッカー


<< 日本×フィンランド キリンチャ... グランディアオンライン、TGS... >>