日本×フィンランド キリンチャレンジカップ

試合総括
この試合、日本は前回のアメリカ戦で全く機能しなかった3-6-1から、お家芸の3-5-2にシステムチェンジして臨んだ。

前半はフィンランドの深い守りに攻め手を見出せず、特に見せ場のないまま終了。

後半開始直後、敵陣で得たスローインから小笠原がドリブルで切り込み、絶妙なセンタリングをあげる。これをスペースに走りこんでいた久保が押し込んで先制。その後、小笠原がゴールから60M近くもある超ロングレンジからクレバーなループを決め、2-0で試合を終えた。

問題点と改善点
前回のアメリカ戦からの改善点と、修正が必要な問題点をあげてみよう。

(1)苦し紛れのロングボール
これはフィンランドの守りが特に堅牢だった前半に見られた。敵陣深くに選手が引ききってスペースを見出せず、苦し紛れに前線にロングボールを放り込むシーンを何度見たことか分からない。

チャンスになりかけた場面もあったが、意図のないパスがそうそう通るわけが無い。こういうサッカーが許されるのは小学生までだ。金を払って見に来ている観客に対して失礼と言わざるを得ない。

この試合のフィンランドのように、あからさまにカウンター狙いのチームはワールドカップでも対戦する可能性がある。前線で積極的に動き回ってパスコースを創ろうとしていた巻を見習って欲しい。

(2)2人しか介入しないパス
日本がフィンランドの守備を崩せなかったのはこれが原因である。理論ではもちろん、パスは出し手と受け手の2人だけで成立するものだが、得点力のある一流どころはそうではない。敵陣を崩す決定的なパスは、たいてい11人全員が介入しているものである。

マーカーを引きつけスペースを創りだす動き、裏に飛び出す動き、空いたスペースをカヴァーリングする動き――要は流れの中でのパス交換が必要なのだ。

日本はこれがあまりできていなかった。サイドチェンジ一つにしても、止まっている選手の足元にボールを転がしているようでは、敵をかく乱するには至らない。もう少し動きのあるパスを積極的に出していく必要があるだろう。

(3)フィジカルコンディションの改善
前回のアメリカ戦では調整不足を露呈したが、今回はさすがにホームということもあり、選手全員の動きがよく、コンディションの改善が見られた。

その結果、出足やポジショニングでフィンランドに勝り、アメリカ戦とは逆の展開でイーヴンボールはほとんど日本が確保していた。

イーヴンボールが確保できれば、日本お得意のポゼッションサッカーが有利に展開できるので、コンディション調整は今後もしっかり管理してもらいたい。

(4)積極的なプレス
前回のアメリカ戦ではプレスが全く効いていなかったが、この試合ではチーム全体としてプレスにいく積極性が回復していた。

前線からのアグレッシヴなチェイシングと、バックラインの押し上げで日本の組織は必然的にコンパクトになっていた。完全にラインが間延びしていたアメリカ戦とはまるで違い、プレスが有効になるラインの間隔、組織が保たれていたのも賞賛すべきだろう。

試合のキーマンは?
この試合の全得点に絡んだ小笠原や、ボランチでうまくフィルターの役割を果たした小野も素晴らしかった。久保の復活ゴールもあった。

だが、私が一番印象に残ったのは、この日三都主に変わって左ウイングバックで先発した村井の存在だ。フィジカルパフォーマンスの高いフィンランドのプレーヤーをドリブルで置き去りにする突破力は非常に素晴らしいものがある。献身的なチェイシングも見るものがある。

欲を言えばラストパスの精度に磨きをかけて欲しい。サイドプレイヤーの一流と二流の違いは、突破力に加え、正確なセンタリングが出来るかどうかだ。GKから逃げるカーヴ、そしてシューターの前で止まる容赦のないセンタリングスキルを習得すれば、三都主からレギュラーを奪うことも不可能ではない。
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by testarossa7537 | 2006-02-19 22:16 | サッカー


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