21日、いよいよチャンピオンズリーグ決勝トーナメントの第一戦が開幕する。
とりわけ、注目を集めているのがチェルシー×バルセロナの一戦。最強の名を欲しいままにする両チームは一体どんな試合を見せてくれるのだろうか。
チェルシー×バルセロナ
何というドローだろう。昨年に続き、またしても初戦からチェルシーとバルセロナの対戦となった。
両チームの戦力を考えると、この対戦は事実上の決勝戦と言っても過言ではない。
チェルシー予想先発(4-2-1-3)
FW:ロッベン(LWG)、ドログバ(CF)、J・コール(RWG)
MF1:グジョンセン(OH)
MF2:ランパード(CH)、マケレレ(CH)
DF:ギャラス(LSB)、テリー(CB)、R・カルヴァリョ(CB)、P・フェレイラ(RSB)
GK:チェフ(GK)
監督:ジョゼ・モウリーニョ
出場停止のエッシェンの変わりはマニシェではなく、昨年のバルセロナ戦で見事にボランチ封じをしたグジョンセンと見る。
本来、チェルシーはポゼッション志向のチームだ。しかし昨年、同じくポゼッション志向のバルセロナと対戦した時、モウリーニョはボール支配を捨て、完全にカウンター狙いできた。
優れたタレントぞろいのバルセロナからイニシアティヴを握るのは難しいという判断だったのだろう。おそらく、今回もリトリートからのカウンター狙いでくると思われる。
やはりカギを握るのはホールを担うグジョンセン。バルセロナのおそらく唯一の弱点である、“1ボランチへの徹底したプレス”が出来るかどうかだ。昨年と同じ手が通用するかどうかは未知数だが、今年バルセロナが敗退した試合は、相手の徹底した同作戦がとられているので、可能性は十分ある。
チェルシーの不安要素は、最近勢いに翳りが見えること、そして大黒柱のランパード、テリー、ロッベンが既に一枚イエローをもらっていることだ。彼らはもう一度警告を受けると2ndレグに出場できなくなる。
チェルシーとしてはホームとなる1stレグで、勝つだけではなく、バルセロナを完封しておきたい。
バルセロナ予想先発(4-1-2-3)
FW:ロナウジーニョ(ST)、エトー(CF)、ジュリー(ST)
MF1:デコ(CH)、ファン・ボメル(CH)
MF2:エジミウソン(CH)
DF:ファン・ブロンクホルスト(LSB)、マルケス(CB)、プジョル(CB)、オレゲール(RSB)
GK:V・バルデス(GK)
監督:フランク・ライカールト
昨年、チェルシーに手痛いカウンターをもらっているだけに、右サイドは攻撃的なベレッチではなく、守備的なオレゲールを起用してロッベン封じに出てくると予想する。
昨日のベティス戦ではロナウジーニョが復帰し、5-1で快勝。連敗を2でとめ、勢いが未だ衰えないことを見せ付けた。
バルセロナとしてはチェルシーの作戦が見えているも同然。デコ、ファンボメルがいかにエジミウソンをカヴァーするかがポイントとなる。
快進撃を続けるバルセロナに、致命的な不安要素は見当たらない。あえてあげるなら、怪我で戦列を離れている司令塔、シャビの穴か。ライカールトは、シャビと似たプレースタイルのイニエスタではなく、パワータイプのファン・ボメルがお気に入りのようだ。
ファン・ボメルでは流れるようなパスワークが生まれないため、チェルシーの堅守を崩せるか、やや不安が残る。
下馬評ではバルセロナ優勢
モウリーニョの理想は1stレグでロッベンの一発カウンターで1-0とすること。逆にライカールトはアウェイゴールを一つ奪うだけで後が楽になる。
最近のチェルシーの勢いは確実に衰えている。おまけに、ホーム→アウェイは統計的に不利と出ている。
知将モウリーニョがこの展開をどう覆すのかにも注目だ。